外壁塗装とは?必要性や塗料の種類、費用相場、修理すべき時期などを解説

外壁塗装とは?必要性や塗料の種類、費用相場、修理すべき時期などを解説

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外壁塗装は、住まいを長く快適に保つために欠かせない重要なリフォーム工事です。

塗料の選び方や施工の質によって、仕上がりや耐久性には大きな差が出ます。

「どの業者にお任せすれば安心か分からない」「費用や契約内容が不安」といった声も少なくありません。

この記事では、外壁塗装の役割や作業の流れ、外壁・屋根を守る塗料の特徴、費用相場などをわかりやすく解説します。

納得のいく品質と満足のいく結果を得るために、ぜひご確認ください。

 

外壁塗装の役割

外壁塗装の主な役割は、次の3つに分けられます。

・雨風や紫外線などの外的要因から家を守る
・外観を美しく一新させる
・建物の資産価値を維持する

それぞれの役割について、順番にわかりやすく解説していきます。

雨風や紫外線などの外的要因から家を守る

外壁は常に過酷な自然環境にさらされており、劣化しやすい箇所です。

外壁にダメージを与える外的要因としては、以下が挙げられます。

・紫外線
・気温の変化
・氷結
・雨風

外的環境の影響によって塗膜が劣化すると、防水性が低下し、雨水が外壁内部に浸入する原因にもなりかねません。

外壁の耐久性を高め、外壁材や建物自体を長持ちさせるためには、定期的な塗装によるメンテナンスが重要です。

外観を美しく一新させる

外壁塗装を行うことで、まるで新築時のような美観を取り戻せます。

これまでとは異なる色で塗装すれば、家全体の印象をガラリと変えることも可能です。

好みやライフスタイルに合わせて、住まいのイメージチェンジを楽しめるのも外壁塗装の魅力のひとつです。

建物の資産価値を維持する

築年数が同じであっても、定期的にメンテナンスを行っている家とそうでない家では、資産価値に大きな差が生まれます。

特に将来的に売却を検討している方は、外壁塗装をはじめとする適切なメンテナンスを行うのをおすすめします。

建物の状態を良好に保つことが、資産価値を維持するうえで重要です。

 

外壁塗装に使用される塗料の種類と耐用年数

遮熱塗料や光触媒塗料などの特殊な塗料を除いた、一般的な外壁用の塗料には、主に以下の4種類(グレード)があります。

・ウレタン塗料
・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料

現在主に利用されているのは、シリコン、フッ素、無機塗料です。

それぞれの塗料について、順番に解説していきましょう。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、柔らかく密着性に優れた特徴を持ち、以前は外壁塗装で用いられる塗料の主流でした。

しかし、紫外線に弱く他の塗料と比べて耐久性がやや劣るため、現在では主流の塗料からは外れつつあります。

現在でも低予算での塗装を希望する方などに選ばれることがあります。

耐用年数の目安は約5〜10年ほどです。

シリコン塗料

シリコン塗料は、現在最も多く使用されている外壁・屋根用塗料の一つで、コストと耐久性のバランスに優れています。

紫外線や雨風に対する耐候性が高く汚れにも強いため、美観を長く保ちやすい点が特徴です。

耐用年数の目安は約7〜15年ほどです。

フッ素塗料

フッ素塗料は、非常に優れた耐久性を持つ高性能な塗料です。

紫外線や雨風などの厳しい環境にも強く、長期間にわたって外壁や屋根の美観を維持できます。

耐用年数の目安は約12〜20年ほどです。

無機塗料

無機塗料は鉱物などの無機成分を主成分とした、非常に高耐久・高性能な塗料です。

紫外線や雨風による劣化に強くカビや藻も発生しにくいため、美観を長期間保ちたい方に選ばれています。

耐熱性や汚れにくさも優れており、メンテナンスの手間を最小限に抑えられるのも大きな特長です。

耐用年数の目安は約18〜20年ほどです。

 

外壁塗装の費用相場

外壁塗装にかかる費用は、建物の面積や使用する塗料の種類、劣化状況などによって異なります。

以下は、約30坪ほどの一般的な住宅における目安です。

・外壁塗装+屋根塗装:110〜160万円
・外壁のみの塗装:70〜110万円
・屋根のみの塗装:60〜80万円

外壁と屋根の塗装を同時に行う場合にかかる費用の内訳は、以下になります。

・足場の設置:20万円程度
・養生:5万円程度
・高圧洗浄:3万円程度
・下地処理:4万円程度
・塗装:40〜70万円程度

上記以外にもシーリング工事(目地の補修)、付帯部の塗装、消費税や諸経費が加算される場合もあります。

また、最終的な見積もりは、建物の状況や使用する塗料などによっても変動します。

費用相場はあくまで参考値として考え、まずは無料見積もりで詳細な費用を確認するのがおすすめです。

 

外壁塗装を検討すべき劣化のサイン

外壁は、風雨や紫外線といった自然の影響を日々受け続けており、時間の経過とともに少しずつ劣化していきます。

外壁塗装のタイミングを見極めるためには「劣化のサイン」を正しく知っておくことが大切です。

塗装の色褪せ

外壁の塗装が色褪せてきた状態は、劣化の初期段階にあたります。

見た目がやや古びた印象になるものの、すぐに塗り替えが必要というわけではありません。

しかし、塗膜の機能が徐々に低下し始めているサインでもあるため、今後の劣化進行に備えた目安として覚えておきましょう。

チョーキング

外壁を手で触ったときに、白い粉のようなものが付着する状態を「チョーキング(白亜化現象)」といいます。

チョーキングは、塗料に含まれる顔料が紫外線や雨風などの影響で分解され、粉状になって表面に浮き出てくる現象です。

外壁のチョーキングは、塗膜の防水性が低下している証拠です。

このまま放置してしまうと外壁にひび割れが生じたり、カビや藻が発生したりする原因になることがあります。

チョーキングを確認したら、早めの塗り替えを検討するタイミングといえます。

クラック(ひび割れ)

クラックとは、外壁に生じるひび割れのことです。

塗装の劣化が進行した状態で見られる症状で、放置すると雨水が内部に浸入し、建物自体の劣化や雨漏りの原因になる恐れがあります。

クラックには大きく分けて2種類あり、幅0.3mm以下の細かなものを「ヘアークラック」、幅0.3mmを超えるものは「構造クラック」と呼びます。

特に構造クラックは深刻な状態であり、早急な対応が必要です。

また、窓サッシ周りやサイディング壁の継ぎ目にあるシーリング材が劣化して、ひび割れを起こしているケースもあります。

シーリング材の劣化によるひび割れも雨水の浸入リスクがあるため、外壁塗装とあわせて補修・打ち替えを行うことが重要です。

塗膜の膨れや剥離

外壁の塗膜が膨れていたり部分的に剥がれていたりする状態も、劣化が進行しているサインです。

塗膜の膨れや剥離は塗装の密着力が低下し、内部に湿気や水分が入り込むことで起こる現象です。

放置すると塗膜が本来果たすべき防水機能を失い、外壁内部に雨水が浸入して構造部を傷める可能性があります。

被害が広がる前に、早めの補修や塗り替えを検討することが大切です。

 

外壁塗装の作業工程

外壁塗装は、見た目を美しくするだけでなく、住まいを保護する重要な工事です。

安心して任せられるように、一般的な施工の流れをご紹介します。

1. 足場の設置
作業員の安全確保と安定した塗装作業を行うために、足場を設置します。

外壁全体を囲う形で足場を組み、飛散防止用のメッシュシートも張ります。

2. 高圧洗浄
塗装前に外壁表面の汚れやカビ、古い塗膜などを高圧の水で丁寧に洗い流します。

3. 下地の処理
クラックや剥がれ、シーリングの劣化などがある場合は、補修作業を行います。

4. 養生
窓や玄関、植栽など、塗料が付着してはいけない部分をビニールやテープで丁寧に覆います。

5. 下塗り
下地と上塗り塗料の密着性を高めるための「下塗り」を行います。

6. 中塗り・上塗り
下塗りが乾いたら、仕上げとなる中塗り・上塗りを行います。

基本的に同じ塗料を2回重ねて塗ることで、色ムラのない美しい外観と高い耐久性を実現します。

7. 点検
塗り残しや仕上がりのムラがないかを最終確認します。

8. 足場の解体・清掃
塗装がすべて完了したら足場を解体し、周辺の清掃を行います。

 

外壁塗装のDIYをおすすめできない理由

外壁塗装は専門的な知識と技術が必要な工事であり、DIYで行うのはおすすめできません。

外壁塗装に関する専門的な知識がないと、適切な塗料を選ぶのは困難です。

適切な塗料を使用しないと、外壁塗装による断熱性や防水性といった機能を得られない恐れがあります。

また、外壁塗装は慣れていないと塗りムラになりやすく、外観も悪くなるリスクがあるのもおすすめできない理由です。

見た目が悪くなるだけではなく、不慣れな作業で外壁材を傷つけてしまうと、余計な修理費がかかるような事態になりかねません。

ほかにも、外壁塗装は高所作業をともなうため、落下してケガをするリスクもあります。

最初から専門の業者に依頼した方が、費用面でも仕上がりの面でも満足度が高く、無駄な手間やトラブルを避けることができます。

 

外壁塗装をするときの業者の選び方

外壁塗装の仕上がりに満足するためには、業者選びが非常に重要です。

悪質業者に依頼してしまうと、法外な費用を請求されたり、手抜き工事をされてしまったりするリスクがあります。

せっかく費用をかけたのに、すぐに不具合が出てしまうというケースも少なくありません。

こうしたトラブルを防ぐために、以下のポイントをおさえて業者を選びましょう。

・外壁塗装の実績が豊富にある
・地域密着で信頼されている業者である
・自社施工を行っている
・アフターメンテナンスがしっかりしている

これらの条件を満たす業者であれば、安心して外壁塗装を任せることができます。

ホームページや口コミもチェックし、信頼できる業者を見つけましょう。

 

外壁塗装なら専門の業者へ相談しよう

外壁塗装は住まいを守る大切なメンテナンスです。

適切なタイミングで塗り替えることで、美観を保ちつつ資産価値の維持にもつながります。

ただし、塗料の選定や施工には専門知識が必要なため、DIYでは失敗やトラブルに繋がりかねません。

信頼できる業者を選べば費用対効果も高く、長持ちする仕上がりが期待できます。

失敗を避けるためにも、DIYより専門業者への相談がおすすめです。


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