防水塗装とはどのような工事なのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
防水塗装は名前のとおり、防水効果のある塗料で塗装する工事です。
雨水の浸入を防ぐ重要な工事のため、住宅の状況に合わせて適切に施工する必要があります。
本記事では防水塗装の方法を場所別に紹介しているほか、施工するタイミングについても解説しています。
DIYでの防水塗装がおすすめできない理由も解説しているため、ぜひ参考にしてください。
防水塗装とは
防水塗装とは、防水効果のある塗料を使用した塗装工事のことです。
住宅の屋根や外壁などに防水効果のある塗料を塗ることで、雨水の浸入を防ぎます。
塗料が乾燥してできる塗膜が水の浸入を防止し、住宅内部や構造体の劣化から守る役割があります。
防水工事はウレタンやシートなどの防水材を用いて、防水層を形成する工事です。
主に屋根やベランダ、バルコニーなど雨水が溜まりやすい場所に施工されます。
防水塗装も防水工事も、水の浸入を防ぐ目的でおこなわれます。
建物の寿命を延ばすためにも重要な工事のため、定期的なメンテナンスが必要です。
【場所別】防水塗装の方法
防水塗装の方法は、施工場所により異なります。
・屋根、外壁は防水塗装
・ベランダやバルコニーは防水工事
それぞれ詳しく解説するため、参考にしてください。
屋根、外壁は防水塗装
屋根の防水は、基本的に防水塗装でおこなわれます。
屋根表面に防水性の高い塗料を塗布し、雨水の浸入を防ぎます。
塗料の種類によっては遮熱・断熱効果を持つ場合もあるので、屋根材の種類や劣化状況にあわせて適切な塗料を選ぶことが重要です。
外壁の防水も主に防水塗装によっておこなわれます。
外壁材の表面に防水性能をもつ塗料を塗ることで、塗膜が水の浸入を防ぐ役割を果たします。
塗装すると美観の向上にもつながるため、定期的に塗装するのがおすすめです。
ベランダやバルコニーは防水工事
人が歩行したり雨水が溜まったりしやすいベランダやバルコニーは、床部分に塗装する防水工事が適しています。
主に4種類の工法から形状や用途に応じて施工します。
・ウレタン防水工法
・FRP防水工法
・シート防水工法
・アスファルト防水工法
ウレタン防水は液体状のウレタン樹脂を塗って防水層を作る工法です。
ガラス繊維で強化されたプラスチックを用いるのがFRP防水、塩化ビニルやゴム製のシートを貼り付けるのがシート防水です。
そして、アスファルトを含んだシートを熱や粘着剤で貼り重ねるアスファルト防水があります。
ベランダやバルコニーの劣化状況に合わせて、適切な施工方法を選ぶことが重要です。
防水塗装にかかる費用
防水工事には「ベランダ防水(ベランダの床部分の塗装)」と「屋根防水」の2種類があります。
ベランダ防水の費用相場は次のとおりです。
【ベランダ防水】
・ウレタン防水:4,000〜8,800円/平方メートル
・FRP防水:4,000〜9,700円/平方メートル
・シート防水:3,500〜9,300円/平方メートル
・アスファルト防水:4,500〜10,000円/平方メートル
ウレタン防水とFRP防水の仕上げに必要なトップコートの費用相場は下記のとおりです。
【トップコート防水】
・ウレタン防水:1,500~2,500円/平方メートル
・FRP防水:1,800~3,000円/平方メートル
次に、屋根防水の費用相場を紹介します。
【屋根防水】
・ウレタン防水:5,000~12,000円/平方メートル
・FRP防水:6,000〜10,000円/平方メートル
・シート防水:5,000~15,000円/平方メートル
・アスファルト防水:5,000~22,000円/平方メートル
上記はあくまで目安のため、住宅の劣化状況や使用する塗料により異なります。
正確な費用を把握するには、業者へ見積もり依頼することが大切です。
防水塗装をおこなうタイミング
防水塗装は下記のタイミングでおこなうのがおすすめです。
・色あせ、ひび割れ
・チョーキング現象
・コケ、藻
放置すると雨漏りにつながる可能性があるため、詳しく解説します。
色あせ・ひび割れ
外壁や屋根の塗装に色あせ・ひび割れが見られる場合は、塗膜の劣化が進行しているサインです。
紫外線や雨風の影響を直接受ける外壁や屋根は、経年劣化によって塗料の性能が低下し、防水効果が薄れていきます。
とくに、ひび割れは雨水が外壁内部に浸入する直接的な原因になります。
放置すると住宅内部にまで影響を及ぼす危険があるため、防水塗装を検討してください。
チョーキング現象
外壁や屋根の表面を手で触った際、白い粉が付く現象をチョーキングと呼びます。
紫外線や雨風によって塗膜の表面が劣化し、塗料に含まれる顔料が粉状になって現れている状態です。
チョーキングは塗膜の防水性能が低下している証拠です。
雨水を弾く力が失われているため、早急に防水塗装をおこなう必要があります。
コケ・藻
外壁や屋根の表面にコケや藻が発生している場合、塗膜の防水性が低下している可能性があります。
通常、塗膜は水を弾くためコケや藻は繁殖しにくくなります。
しかし塗膜が劣化すると水分を含みやすくなり、湿気によってコケや藻が生えてしまうのです。
美観を損なうほか、外壁や屋根が湿った状態が続くことで劣化が早まるおそれがあります。
コケや藻を見つけたら、防水塗装を検討するのがおすすめです。
雨漏りが発生している場合は防水塗装以外の施工がおすすめ
雨漏りが発生している場合は防水塗料を施しても、すでに建材が劣化しているため効果はほとんど期待できません。
屋根材や外壁材の張り替えをおこない、建材そのものを新しいものにしたほうが雨漏りを完全に直せます。
カバー工法でも対応できる場合はありますが、状況によっては実施できないため、業者との相談が必要です。
防水塗装はDIYで対応しないほうがよい理由
防水塗装はDIYしないほうがよい理由を紹介します。
・ケガをするリスクが高い
・適切に施工できず防水性能を発揮しにくい
防水塗装をDIYでできるのか悩んでいる方は、参考にしてください。
ケガをするリスクが高い
塗装箇所が高い位置にあると転落のリスクが上がります。
さらに、1人で作業するとなればサポートしてくれる方がいない状況です。
慣れない脚立やはしごを使用した作業はスムーズにできない可能性も高く、1人だと安全に作業できません。
身の安全を守るためにも防水塗装は自分でしないほうがよいといえます。
適切に施工できず防水性能を発揮しにくい
間違った手順で塗装すると、塗料がもっている防水性能を発揮しにくくなります。
Web記事や動画には防水塗装の方法が多く載っていますが、経験がなければ正しいかの判断が困難です。
やり方が異なっていたり塗装がうまくいかなかったりすると、防水性能を最大限発揮できません。
せっかく塗装しても雨水の浸入を許してしまえば、DIYした意味がなくなってしまいます。
防水塗装は住宅の寿命を延ばす重要な工事のため、業者へ依頼するのがおすすめです。
信頼できる業者を選ぶポイント
信頼できる防水塗装業者を選ぶときのポイントは主に3つあります。
・自社施工している
・豊富な実績がある
・地元に密着している
自社施工している場合は、下請け業者へ依頼しないため中間マージンが発生せず、適正価格で高品質な工事が可能です。
豊富な実績がある業者であれば、屋根・外壁・ベランダなどさまざまな場所に適した塗料を選び、理想の仕上がりが期待できます。
さらに、地域密着型の業者は地元の気候や建物の特性を十分に理解しています。
出張費や広告費も抑えられるため、お手頃価格で工事を依頼できるところがメリットです。
見積もりからアフターフォローまで一貫して対応してくれる点も魅力のひとつです。
住宅の寿命を延ばすためにも定期的な防水塗装が重要
防水塗装は住宅の屋根や外壁などに防水効果のある塗料を塗り、雨水の浸入を防ぐ工事です。
雨漏りを未然に防ぐことは、住宅内部や構造体の劣化から守るためにも重要です。
外壁や屋根に色あせ・ひび割れがある、コケ・藻が見られるといった場合は塗装を検討する必要があります。
豊富な実績を誇る業者へ一度点検の相談をするのがおすすめです。