「外壁に漆喰を導入しようか」「漆喰はどんな特徴があるのか」と悩んでいませんか。
漆喰は耐用年数の長い壁材ですが、特徴やメリット・デメリットを理解することが重要です。
適切にメンテナンスを行わなければ劣化し、再施工によって費用がかかる場合があります。
この記事では、漆喰外壁の特徴やメリット・デメリット、費用相場を紹介します。
メンテナンスについても解説しているので、外壁に漆喰の導入を検討している方はぜひ参考にしてもらえるとうれしいです。
漆喰外壁の特徴
漆喰は石灰（水酸化カルシウム）を主成分とした壁材です。
海藻やノリなどを混ぜた自然素材で、化学物質を使用していません。
塗装すると、重厚感や高級感などが得られます。
昔から使われており、お城やお寺など歴史的な建築物の壁材にも用いられています。
外壁に用いられている主な漆喰は、本漆喰・土佐漆喰・琉球漆喰・西洋漆喰です。
漆喰が外壁に用いられる理由
漆喰は耐久性が高く、防火性や防水性にも優れています。
健康や環境に優しい自然素材で、温かみや高級感のある質感も魅力です。
経年によって少しずつ色味や風合いが変化する様子も楽しめます。
自然素材で健康や環境にも優しく、化学物質を気にする人にも安心です。
適切なメンテナンスで長期間使えるため、漆喰は外壁にも多く用いられています。
漆喰を外壁にするメリット
漆喰を外壁にするメリットとして、以下の点が挙げられます。
・耐用年数が長い
・防カビ性が高い
・耐火性に優れている
・自浄作用がある
・調湿や消臭の効果がある
・さまざまなデザインの漆喰外壁がある
どのようなメリットがあるのかをそれぞれ解説します。
耐用年数が長い
適切なメンテナンスをすることで、漆喰の耐用年数は100年以上となります。
漆喰には再石灰化によって空気中の二酸化炭素を吸収し、硬くなる性質があるからです。
年月が経つほど漆喰の再石灰化が進み、耐久性がさらに高まります。
劣化の速度も他の外壁材より緩やかなので、適切にメンテナンスをしていれば長く使える壁材です。
防カビ性が高い
漆喰の主成分である石灰はアルカリ性のため、カビやコケの発生を抑える特徴があります。
調湿作用もあるため、湿気の多い場所でも比較的清潔に保てます。
ただし経年劣化によってアルカリ性は低下するため、適切なメンテナンスが必要です。
耐火性に優れている
漆喰の主成分である炭酸カルシウムは、耐火性に優れた成分です。
万が一の火災でも燃え広がるリスクを低減できます。
自然素材なので、人工素材と比較して有毒な煙やガスの発生リスクも抑えられます。
建築基準法で不燃材料と認められているため、防火地域や準防火地域に指定されている地域でも漆喰を外壁として用いることが可能です。
自浄作用がある
漆喰は自ら汚れを落とす自浄作用を持っています。
壁に汚れが付着しても、時間が経過するにつれて薄くなる現象です。
軽い汚れなら、紫外線を浴びると白くなります。
漆喰には建材から放出されるホルムアルデヒドを分解する効果もあるので、化学物質が心配な方にも漆喰の外壁はおすすめです。
調湿や消臭の効果がある
漆喰の表面は多孔質で細かい穴が多数あいている構造なので、空気中の水分を吸収・放出する機能を持っています。
そのため湿気が多いときは余分な湿気を吸い取り、乾燥しているときは湿気を放出して調湿します。
アルカリ性の漆喰には、アンモニアや生ゴミ、タバコなどのにおい成分を吸収・分解する働きもあります。
そのため、家の周囲への消臭効果も期待できます。
さまざまなデザインの漆喰外壁がある
漆喰外壁はシンプルなイメージを持たれていますが、デザインが多彩なのも特徴です。
真っ白な外壁を好まない人にはカラーの漆喰もあるので、好きな色味を選べます。
塗り方もコテ仕上げやフラットな仕上げなど多様にあり、特徴的な模様や装飾のある外壁を実現できます。
オリジナリティのある外観にできるのも、漆喰外壁の魅力です。
漆喰を外壁にするデメリット
漆喰を外壁にすることには、以下のデメリットもあります。
・費用が高額になりやすい
・カビが発生する場合がある
・傷が付きやすい
・施工後の一定期間はにおいがする
デメリットも理解したうえで、漆喰を外壁にするかを検討しましょう。
費用が高額になりやすい
漆喰の施工では、複数回の塗り替えが行われます。
乾燥させる期間も必要なので、施工期間が長くなりやすいです。
職人による手作業で行われ、下地処理や乾燥など作業工程も多岐にわたります。
熟練した技術が求められるため、一般的な外壁塗装よりも初期費用がかかる傾向にあります。
カビが発生する場合がある
漆喰はカビが発生しにくいですが、施工する住宅の環境などによってカビが発生するリスクがまったくないとはいえません。
バルコニーなど水がかかりやすい場所では、注意が必要です。
日が当たらない場所や通気性の悪い場所も、定期的にチェックをするのが望ましいです。
カビに強く調湿作用がある漆喰でも環境によっては十分に効果を発揮できないことを留意したうえで、漆喰の導入を慎重に検討しましょう。
傷が付きやすい
漆喰外壁は傷が付きやすいのもデメリットです。
硬いものや先が尖ったものを外壁の近くで扱う際には、注意が必要です。
強い地震などでひび割れを起こしてしまうこともあります。
ただし補修は可能なので、定期的に点検をしていれば十分に対応可能です。
施工後の一定期間はにおいがする
漆喰に含まれる石灰やのりは、独特のにおいを発する特徴があります。
そのため、施工後は独特の臭いが伴うことは避けられません。
ただし、漆喰は乾燥すると無臭になります。
完全に乾燥するまで乗り切る必要があるため、どのように対応するべきか工夫が求められます。
漆喰外壁の施工費用の目安
漆喰外壁の施工にかかる費用は、塗装する面積や使用する塗料、施工する環境によって異なります。
1平方メートルあたりの目安は、5,000～8,500円程度です。
一般的な30坪の工事では、50〜100万円程度かかります。
養生や足場設置の費用、下地処理などの工程もあるため、総額は150～300万円程度です。
ほかにも作業や消費税、諸経費などが追加されます。
詳しい施工費用を知るには、業者に見積もり依頼をするのがおすすめです。
漆喰外壁のメンテナンス方法
漆喰外壁は傷が付きやすいため、定期的にチェックしましょう。
メンテナンスをすることで、漆喰外壁を長持ちさせられます。
軽度な劣化なら、自分で対応可能です。
軽い汚れは消しゴムで取れますが、さらに汚れている場合はメラミンスポンジやサンドペーパーで軽くこすれば取れます。
水をかけたり強くこすったりするのは、避けるのが無難です。
軽いひび割れや傷は、上から漆喰を塗り重ねる方法で対応できます。
大きな劣化は全体的な塗り直し、剥がれてきた場合は下地を撤去して塗り替える必要があるため、業者に依頼しましょう。
漆喰外壁のDIYはおすすめできない
漆喰外壁の軽度なメンテナンスは素人でも対応可能ですが、DIYはおすすめできません。
専門知識や技術がない人がDIYしても満足な仕上がりにならないことが多く、外壁は住宅の耐久性にも直結するからです。
塗装する箇所によっては高所となるため、転落や落下物でケガをするリスクもあります。
施工不良や事故を避けるには、専門知識や技術を持っている業者に依頼するのが安全です。
施工後の保証やアフターフォローを行っている業者ならサポートがあり、万が一のトラブルにも対応してもらえます。
漆喰外壁のメリットやデメリットを知ったうえで検討しよう
漆喰外壁は機能性に優れた自然素材です。
ある程度のコストや手間は必要ですが、メリットとデメリットを理解していれば、美しく長く維持できます。
漆喰外壁の導入を検討する際には、信頼できる業者を探すのがおすすめです。
信頼できる業者を見つけるポイントとして、経験豊富な職人の有無や地域密着型であることが挙げられます。
担当者の対応や明瞭な見積書を手渡しするかどうかも、判断基準となります。
信頼できる業者に相談して、漆喰外壁の導入を検討してみましょう。
