モルタル塗装とは?塗料や施工手順、再塗装の時期などを解説

モルタル塗装とは?塗料や施工手順、再塗装の時期などを解説

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「どのような塗料を選べば良いのかわからない」
「そろそろ再塗装が必要な時期か知りたい」

モルタル外壁の塗装について、このようなお悩みはありませんか。

モルタルは風合いやデザイン性の高さが魅力ですが、経年によるひび割れや塗料との相性によって劣化が進みやすい特徴もあります。

本記事では、モルタル塗装の基本知識や施工手順、劣化症状の見極め方、再塗装のタイミングを解説します。

 

モルタルの塗装とは?

モルタルの塗装とは、モルタルで仕上げられた外壁や床などの表面に塗料を塗布する作業です。

モルタルは、セメントや砂、水を混ぜて作る建築材料で、昔ながらの住宅やビルの外壁に多く使われてきました。

独特の質感と無機質な風合いがあり、モダンなデザインで人気があります。

モルタルは耐火性や断熱性に優れている一方で、ひび割れや劣化が起こりやすいため、塗装による保護が欠かせません。

 

モルタル外壁への塗装の仕上げ方法

モルタル外壁は、塗装の仕上げ方次第で見た目や機能性が大きく変わります。

代表的な仕上げ方法は以下のとおりです。

・リシン仕上げ
・スタッコ仕上げ
・吹付けタイル仕上げ
・パターンローラー仕上げ
・左官仕上げ

それぞれの特徴を紹介します。

リシン仕上げ

リシン仕上げは、砂や骨材を混ぜた塗材をスプレーで吹き付ける方法です。

表面がザラザラとしており、落ち着いたマットな印象に仕上がります。

スタッコ仕上げ

スタッコ仕上げは、厚みのある塗材をコテやローラーで塗りつけることで立体的な質感を出す方法です。

ヨーロッパ風のクラシカルな印象が強く、重厚感のある外観を演出したい方におすすめします。

吹付けタイル仕上げ

吹付けタイル仕上げは、タイルガンという専用の器具を使って複数回塗材を吹き付け、タイル調の凹凸模様をつける方法です。

陰影が生まれるため高級感があり、デザイン性が高いです。

模様の種類や細かさを調整できるため、オリジナリティのある外観に仕上げたい方に適しています。

パターンローラー仕上げ

パターンローラー仕上げは、柄が刻まれた専用ローラーで表面に模様をつける方法です。

タイル調や波模様などバリエーションが豊富で、オリジナリティあふれる外壁を演出できます。

左官仕上げ

左官仕上げは、職人がコテを使って一つひとつ手作業で仕上げる伝統的な方法です。

塗り方によって、引きずり仕上げや櫛引き、扇仕上げなど多彩な表情が生まれ、手作業ならではの温かみや風合いを持っています。

ただし、左官仕上げは職人の技術力に左右されやすいため、熟練の技術を持つ経験豊富な業者に相談するのがおすすめです。

 

モルタル外壁に使われる主な塗料の種類

モルタル外壁に使われる塗料には、ひび割れ対策や施工性など特徴があります。

・単層弾性塗料
・微弾性塗料
・複層弾性塗料

主な3種類の塗料を解説します。

単層弾性塗料

単層弾性塗料は、シーラーで下地処理を行ったあと、上塗りを2回重ねて仕上げる塗材です。

施工手順がシンプルなため工期が短く、比較的リーズナブルに仕上げられるのが魅力です。

ただし、塗膜が薄いため、複層弾性塗料に比べると耐久性や防水性はやや劣ります。

微弾性塗料

微弾性塗料は、わずかに弾性を持った塗料です。

下塗り材(フィラー)として使われ、細かなひび割れが起きやすい素材に向いています。

複層弾性塗料

複層弾性塗料は塗膜が厚いため、外壁を保護し、雨水の浸入を防ぎます。

下塗りにシーラーを使い、中塗りには高弾性の塗料を2回、さらに上塗りにも異なる塗料を2回重ねる多層構造の塗装方法になります。

どの塗料が自宅に最適か迷った際は、塗装業者に相談すると安心です。

 

モルタルへ塗装する流れ

モルタルの塗装では、耐久性と美しさを長く保つために、工程ごとに丁寧な作業が求められます。

・足場の設置
・高圧洗浄
・養生作業
・下地処理
・下塗り、中塗り、上塗り

塗装の流れを紹介します。

足場の設置

最初に行うのが足場の設置です。

外壁塗装は高所作業が伴うため、作業員の安全確保はもちろんのこと、安定した足場を確保することで塗装作業の効率と精度が大きく向上します。

高圧洗浄

塗装前の高圧洗浄では、モルタルの外壁に付着した汚れやホコリ、旧塗膜などを強力な水圧で除去します。

洗浄の工程を省くと、塗料の密着が不十分となり、数年で塗膜が剥がれるなどの不具合が発生しやすくなります。

そのため、塗装の耐久性を高めるために高圧洗浄は欠かせません。

養生作業

塗料が不要な場所に付着しないように、窓枠や玄関、雨樋、植木などをビニールシートやマスキングテープで丁寧に覆います。

塗装しない部分を保護するための養生作業は、美しい仕上がりのために大切です。

下地処理

下地処理は塗装の仕上がりを左右する工程で、専用の補修材でひびを埋め、表面を均一にして下塗りに適した状態に整えます。

劣化が進んでいる場合は、パテやプライマーを使用して下地の密着性をさらに高めることもあります。

下塗り・中塗り・上塗り

下塗りは塗料の吸い込みを抑えて下地との密着を高め、中塗りや上塗りで塗膜の厚みを確保し、色の均一性や耐久性を向上させます。

最後に塗膜がしっかり乾いたことを確認し、足場を解体すれば、塗装工事は完了です。

 

モルタル外壁の塗装を検討すべきタイミング

モルタル外壁の塗装を検討すべき時期の目安は以下のとおりです。

・塗料の耐用年数を迎えた
・ヘアークラックが発生した
・構造クラックが発生した
・チョーキング現象が発生した
・浮き、剥がれが確認できた
・カビ、コケが発生した

症状が深刻になる前にメンテナンスをしましょう。

塗料の耐用年数を迎えたとき

モルタル外壁に使用される塗料には、耐用年数の目安が定められています。

ウレタン塗料は5〜10年、シリコン塗料で7〜15年、フッ素塗料は12〜20年、無機塗料では18〜20年程度が一般的です。

外観に変化がなくても、年数が経過している場合は塗装を検討してみてください。

ヘアークラックが発生したとき

ヘアークラックは、表面の塗膜に現れる髪の毛ほどの細いひび割れです。

放置するとひびから水分が入り込み、徐々に劣化が進行します。

構造クラックが発生したとき

構造クラックは、幅0.3mm以上の深いひび割れで、モルタル下地だけでなく建物全体に影響する可能性があります。

ひび割れから雨水が浸入すると、内部の鉄筋が錆びて建物の寿命を縮める原因になるかもしれません。

早急な補修が必要で、発見したらすぐに業者へ相談しましょう。

チョーキング現象が発生したとき

外壁に触れたときに白い粉が手についたら、チョーキング現象のサインです。

塗膜が紫外線や雨風で劣化し、顔料が粉状になっている状態で、防水性が大きく低下している可能性があります。

チョーキングを放置すると、外壁内部への水分の浸入が進み、さらなる劣化を招くため再塗装を検討しましょう。

浮き・剥がれが確認できたとき

塗膜やモルタル部分に膨れや浮き、剥がれが見られる場合は、塗装の密着力が弱くなっている証拠です。

放置すると雨水が外壁内部に浸透し、構造材まで劣化が進む可能性があります。

カビ・コケが発生したとき

北側や日当たりの悪い面、風通しの悪い場所では、外壁にカビやコケが発生することがあります。

塗膜の劣化によって、外壁が湿気を帯びやすくなっているかもしれません。

そのままにすると、外壁材の劣化が加速するため、洗浄や塗装での早期対応が効果的です。

 

モルタルの塗装はDIYより業者に任せるのが安心

モルタル外壁の塗装は、高度な技術と専門的な知識が必要です。

下地処理や塗料の選定や塗り方を間違えると、すぐに塗膜が剥がれたり、ひび割れが再発したりする恐れもあります。

また、高所での作業は転落や事故のリスクを伴うため、適切な安全対策を講じることが不可欠です。

仕上がりの品質や耐久性を確保するためにも、塗装業者に依頼することをおすすめします。

業者であれば、建物の状態に応じた最適な施工を行い、長期間にわたって外壁を保護する仕上がりが期待できます。

 

モルタルの塗装は信頼できる業者に依頼しよう

モルタル外壁の塗装は、下地の劣化状況や仕上げ方法に応じた適切な施工が求められるため、経験豊富な業者に任せましょう。

DIYで対応すると、適切な施工ができないリスクが高いです。

また悪徳業者に引っかかると、法外な料金を請求されたり手抜き工事をされたりといったリスクが高まります。

モルタル外壁の塗装は、信頼できる業者を落ち着いてしっかりと探しましょう。


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