外壁塗装の色は仕上がりの印象を大きく左右するため、最後まで悩む方が少なくありません。
できれば、おしゃれで高級感のある人気色を選びたい。
一方で、色褪せしにくく、長持ちするという機能面も重視したい。
さまざまな思いから色を選びきれず、中には外壁塗装工事自体を保留にしている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、外壁塗装の人気色や色の選び方、失敗例、後悔しないポイントなどをプロの視点でわかりやすく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
外壁塗装の人気色
外壁塗装での人気色は、地域や世代、流行などによっても異なります。
あくまでも一般論ではありますが、過去の施工事例をベースにお伝えすると、外壁塗装の人気色は次の3色です。
・ホワイト系
・ベージュ系
・グレー系
特にベージュ系やグレー系は汚れが目立ちにくく、景観などとも合わせやすいため、定番色として人気が根強い傾向です。
ただし、人気色は「何を重視するか」という目的によっても異なります。
次に、目的別の人気色を説明します。
汚れが目立ちにくい外壁色
汚れが目立ちにくい外壁色で人気が高いのは、一般的に次の3色です。
・ベージュ系
・グレー系
・グリーン系
外壁汚れの原因となる砂、土ぼこり、黄砂などと同系色のため、カモフラージュしやすいというのが理由です。
地域や立地条件で特有の汚れもあるため、近隣の建物を実際に見て確認することをおすすめします。
色褪せしにくい外壁色
色褪せしにくい外壁色で人気が高いのは、一般的に次の3色です。
・クリーム系
・ベージュ系
・グレー系
色褪せの主な原因は紫外線です。
原色に近い赤や青などの鮮やかな色より、落ち着いた色の方が紫外線の影響を受けにくいといわれています。
視覚的にも、色褪せによる劣化が目立ちにくい色合いです。
高級感・モダンさのある外壁色
高級感・モダンさのある外壁色で人気が高いのは、一般的に次の3色です。
・ダークブラウン系
・ダークグレー系
・ネイビー系
深みのある色調が、高級感やモダンな印象を引き出しやすいといわれています。
ツートンカラーやアクセントカラーとしても使いやすく、色が映えやすいのが特徴です。
家を明るく見せる外壁色
家を明るく見せる外壁色で人気が高いのは、一般的に次の3色です。
・ホワイト系
・イエロー系
・パステルカラー系
明るい色は光を反射するため、家を実際よりも大きく開放的に見せる効果があります。
日陰になりやすい立地でも暗い印象になりにくいのが、人気の理由の1つです。
景観になじみやすい外壁色
景観は周りの環境や近隣の建物の傾向によって異なるため、人気色も一概にはいえません。
例えば、住宅街では定番色に人気が集まる傾向があります。
・ホワイト系
・ベージュ系
・グレー系
自然豊かな地域では、アースカラーの人気が高めです。
・グリーン系
・ブラウン系
都会のモダンな地域では、シックな色合いも好まれます。
・ネイビー系
・ブラック系
実際に近隣の建物を見て回り、景観のイメージを具体的に把握するのがおすすめです。
外壁塗装で失敗しない色の組み合わせ方
「おしゃれ」「個性的」などの理由で、外壁色をツートンカラーなどで塗り分けるお客様も増えている印象です。
「失敗しない色の組み合わせ方」として、次のポイントを押さえておきましょう。
・同系色にそろえる
・目立つ色は、淡くてなじみやすい色と組み合わせる
・多くても3色程度にとどめる
・塗り分けは、外壁の角や付帯部などの自然な境界線を利用する
塗り分けには、他にも「家を広く見せる」「スリムに見せる」「立体感を強調する」などの効果があります。
しかし、色の組み合わせによっては逆効果となるリスクもあるため、注意が必要です。
外壁塗装の色選びでよくある失敗例と対策
検討を重ねて外壁の色を決めたのに、いざ完成してみると「こんなはずじゃなかった」とがっかりするケースは少なくありません。
外壁色の失敗例には、いくつかの共通点があります。
具体的な失敗例と対策の一例を解説します。
イメージと違った
「失敗」の代表的な感想として寄せられることが多いのは、次のような声です。
・思っていたより色味が濃い、もしくは薄い
・色そのものが見本と違う
・ドアや屋根との相性が合わない
同じ素材の同じ色でも、光の当たり方や周囲の配色によって印象が大きく異なるケースは珍しくありません。
つい「外壁は外壁」「色は色」と単独で考えがちになりますが、外壁は家の外観の一部です。
外観全体のバランスを考慮して、外壁塗装の色選びをすることが重要です。
周辺環境になじんでいない
理想どおりの外壁色でも、近隣の家や景観から浮いているように感じてしまうケースがあります。
もちろん、気にならなければまったく問題にはなりません。
むしろ「個性的で好感が持てる」と、ポジティブな意見も多数あります。
感じ方は意見がわかれるポイントなので、家族などの同居人がいる場合は事前にしっかり話し合って意見を確認しておきましょう。
また、分譲地によっては、外壁色がガイドラインや協定で定められていることもあります。
使用できる色の確認に加え、目立ちたくない場合は最初の周辺リサーチが重要です。
一部分だけ劣化が目立つ
同じ時期の外壁塗装でも、紫外線の当たり方などで特定の一部分だけ劣化が激しく目立つことがあります。
一部分だけ後から塗装しても既存の部分とうまくなじまず、違和感が生じるリスクは否めません。
この場合は一般的に「色褪せしにくい」「劣化しにくい」といわれる色を選ぶのが有効です。
建物の特性をあらかじめ理解し、劣化しやすい部分だけ色褪せしにくい色に塗り分けるなどの対策も効果的です。
専門的な知識が必要になるため、信頼できる塗装業者へ相談することをおすすめします。
外壁塗装で後悔しない色選びのポイント
外壁の色は、光の当たり方や塗装の面積によって見え方が変わります。
外壁塗装で後悔しないために、できるだけ実態に近い形で確認できる方法を説明します。
カラーシミュレーションを活用する
カラーシミュレーションは、お客様の自宅画像をパソコンに取り込み、専用ソフトで外壁の色を変えて見え方を確認する方法です
カラーシミュレーションには、次のようなメリットがあります。
・自宅の塗装後のイメージを、より具体的に把握しやすい
・塗り分けやアクセントカラーなど、色同士の相性を確認しやすい
・家族や業者など複数人が携わる場合に、色イメージを共有しやすい
外壁色を何度でも変更して確認できるので、積極的に活用していきましょう。
色見本は屋外で確認する
色見本は、必ず屋外で確認するようにしましょう。
色は自然光と人工的な蛍光灯・電球などの光源により、見え方が大きく異なります。
天候や時間帯でも印象が変わるので、特性を理解したうえで、日向や日陰で見え方を確認するのが有効です。
・晴天は全体的に明るく見えやすい
・曇天や雨天は全体的に暗く見えやすい
・夕日の影響で夕方は赤みがかって見えやすい
実際の環境と同じ場所、さまざまな条件でお試しください。
できるだけ大きな色見本で確認する
色見本は、できるだけ大きなサイズで確認することも重要です。
「面積効果」という言葉をご存知でしょうか。
面積効果は「同じ色でも面積によって見え方や印象が変わる」という、目の錯覚で生じる現象です。
一般的に、同じ色でも面積が大きいほど明るい色はより明るく・鮮やかに、暗い色はより暗く・濃く見えます。
外壁塗装は特に面積が広いため、注意が必要です。
気になる色は一色に絞らず、近い色を数種類用意して比較するのも有効です。
信頼できる外壁塗装業者に相談しよう
外壁塗装の色選びは、建物の印象を大きく左右する工程です。
夢が広がり楽しい一方で、選びきれないという悩みもつきません。
外壁塗装の人気色はホワイト系やベージュ系、グレー系というのが一般的です。
しかし、人気色がすべての住宅に最適とは限らないため、住宅のデザインや周辺環境などを考慮して選択する必要があります。
外壁塗装の色選びで迷ったときは、信頼できる業者に相談することをおすすめします。
地域密着型の業者であれば、地域特有の気候や景観も考慮した適切なアドバイスが可能です。
外壁塗装の色で後悔しないためにも、普段から地元で信頼できる業者を探しておきましょう。