屋根の部分修理はいくらかかる?費用相場と業者選びのポイントを解説

屋根の部分修理はいくらかかる?費用相場と業者選びのポイントを解説

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屋根の部分修理は全体修理より工期が短くなり、費用も抑えられる方法です。

劣化が小さいうちに対応することで、後々の大きなトラブルを防げます。

しかし、「屋根の部分修理は本当に安い?」「どこに依頼したら良いのだろう」とお悩みではありませんか。

本記事では、屋根の部分修理費用の相場や費用を抑えるポイントを解説します。

信頼できる業者選びのポイントなども解説するので、屋根の部分修理を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

屋根の部分修理にかかる費用相場

屋根材が部分的に割れたりずれたりした場合、部分的な修理や交換で対応します。

部分修理ができるのは、以下の5つです。

・屋根の部分塗装
・屋根材の部分修理
・棟板金の部分修理
・谷板金の部分修理
・棟瓦の部分修理

それぞれの部分修理や相場について、詳しく解説します。

なお、屋根の部分修理は高所作業となるため、追加で足場の設置費用が必要となる場合があります。

屋根の部分塗装

屋根の塗装が一部剥がれているだけで雨漏りなどの不具合がない状態であれば、部分塗装で対応できる場合があります。

塗装が剥がれている状態で放置していると屋根材が劣化します。

屋根材の劣化をそのままにすると、雨漏りなどのトラブルにつながりかねません。

屋根の部分塗装の相場は、5〜30万円です。

施工する範囲や採用する塗料の種類などによって、価格は変動します。

なお、築浅や塗装してから約1年以内に塗膜が剥がれた場合は、施工不良かもしれません。

保証期間内であれば補修してもらえる可能性があるため、担当した業者に連絡しましょう。

屋根材の部分修理

屋根材の割れや欠けなどの破損・劣化が見られる部分を、差し替えや補修で対応する方法です。

屋根材の破損状態や瓦やスレートなどの種類によって、費用の相場は異なります。

主な屋根材の部分修理の相場は、以下の通りです。

・瓦の一部差し替え:5,000~60,000円
・瓦の並べ直し:5,000〜60,000円
・瓦の漆喰補修:4~35万円
・スレート瓦の軽度なひび割れ補修(コーキングの補修):2〜5万円
・スレート屋根差し替え:4~20万円
・トタンの部分張り:3~15万円

広範囲だったり屋根の下地にもトラブルが発生していたりする場合は、高額になることもあります。

棟板金の部分修理

屋根の頂上部分にある棟板金は風が当たりやすく、強風や台風の影響で破損することも少なくありません。

釘が抜けたり棟板金の一部が浮いていたりする場合は、部分的に修理します。

棟板金の釘打ち・コーキングの相場は1棟あたり15,000〜80,000円で、棟板金の交換の相場は3〜20万円です。

足場の有無などによって、費用は変動します。

谷板金の部分修理

屋根に溜まった雨水をスムーズに排水する谷板金も、傷みやすい箇所の一つです。

サビや穴などの破損がみられる場合は、部分的に交換します。

谷板金の部分交換の相場は、5〜20万円です。

交換する谷板金の長さや下地補修の有無などによって、費用は変動します。

元の谷板金にサビが残っていると、交換後の谷板金にも移って劣化が早まる場合があるのがデメリットです。

交換した谷板金と元の谷板金で使用した金属が異なる場合も、ガルバニック腐食という現象が起こり、どちらかの金属がサビになりやすい点にも注意しましょう。

棟瓦の部分修理

棟瓦に飛散や破損が見られる場合は部分的な積み直しで、漆喰のみ劣化している場合は詰め直しで対応できます。

棟瓦の積み直しは4~60万円、漆喰の詰め直しは3〜40万円が相場です。

費用は、棟瓦を固定する際に仕上がりの美しい湿式工法と、軽量化でき耐震も期待できる乾式工法のどちらを採用するかによっても変動します。

湿式工法の方が乾式工法より費用を抑えられる傾向にありますが、それぞれのメリットやデメリットを踏まえたうえで業者としっかり相談して決めるのが望ましいです。

 

屋根の部分修理を検討すべきタイミング

屋根の部分修理を検討するのは以下のタイミングがおすすめです。

・屋根材のメンテナンス時期となったとき
・屋根の不具合や劣化に気づいたとき

なぜこのようなタイミングで検討すべきなのかを解説します。

屋根材のメンテナンス時期となったとき

屋根材はそれぞれ耐用年数だけでなく、メンテナンス時期も決められています。

主な屋根材の耐用年数は、以下の通りです。

・スレート:10〜35年
・セメント瓦:10〜20年
・ガルバリウム鋼板:10〜20年
・トタン:5〜10年
・アスファルトシングル:10年前後

耐用年数が長い屋根材でも、いつの間にか劣化が進行していることも少なくありません。

劣化が見られるかどうかにかかわらず、定期的に点検しておくのがおすすめです。

屋根の不具合や劣化に気づいたとき

屋根材にひび割れや破損、隙間の広がりなどが見られたら、不具合や劣化が起こっている可能性があります。

色褪せや変色が見られる場合も同様に、部分修理を検討したいタイミングです。

放置していると悪化して、大規模な修理となる恐れがあります。

判断に迷うなら、業者にチェックしてもらいましょう。

 

屋根の部分修理の費用を抑えるポイント

屋根の部分修理をさらにコストダウンしたい場合は、以下のポイントを確認しましょう。

・早期に修理を行う
・火災保険が適用されるか確認する
・補助金や助成金を利用できるか確認する

費用を抑えられる理由をそれぞれ解説します。

早期に修理を行う

不具合が起こっている屋根を放置していると、劣化範囲の拡大や悪化などのデメリットがあります。

全体的な修理で高額となる前に対応すると修理の範囲が限定されるため、少額で抑えられます。

台風や大雪の後は、被害が拡大する場合があります。

屋根の状態を確認し状況に応じて業者に依頼すれば、早期の修理が可能です。

火災保険が適用されるか確認する

台風や大雪などの災害によって屋根の修理が必要となった場合は、火災保険で補償を受けられる可能性があります。

ただし、経年劣化と判断される状態での部分修理は火災保険の対象にならないケースもある点に留意が必要です。

火災保険の適用は、原則として被害が発生してから3年で時効となります。

災害後に屋根が破損した場合は火災保険の内容を詳しく確認し、必要に応じて担当者へ相談しましょう。

補助金や助成金を利用できるか確認する

施工内容によっては、国や自治体が実施している補助金や助成金を屋根の修理に使える可能性があります。

例えば、国の「長期優良化リフォーム推進事業制度」は中古住宅の質を高め、子育て環境を整えることを目的とした制度です。

申請が受理されれば、既存住宅のリフォームを実施する際に修理費用の一部を補助してもらえます。

利用できる助成金や要件は自治体や制度によって異なるので、住んでいる自治体のホームページなどを確認しましょう。

ただし、経年劣化による修理やリフォームの補助は対象外となることがあります。

 

屋根の部分修理で信頼できる業者選びのチェックポイント

屋根を部分修理するなら、信頼できる業者に依頼したいものです。

チェックポイントとして、以下の3点が挙げられます。

・屋根の部分修理の実績が豊富にある
・見積書が明瞭で説明がわかりやすい
・現地調査を丁寧に行っている

これから解説するポイントを確認して、失敗しない業者選びをしましょう。

屋根の部分修理の実績が豊富にある

屋根塗装や板金の修理など、得意分野は業者によって異なります。

施工実績は、多くの人の依頼に対応してきた証拠です。

屋根の部分修理に対する施工実績が豊富な業者なら、トラブルによるリスクが少ないことも期待できます。

部分修理の場合は、小規模な工事にも対応している業者を選ぶと安心です。

業者のホームページや口コミをしっかりとチェックするのがおすすめです。

見積書が明瞭で説明がわかりやすい

「一式」などはっきりしない記載ではなく、工事の内容や材料費などが明瞭な見積もりを提示する業者もおすすめできます。

不明点や保証の範囲をわかりやすく説明してくれるかどうかも、見逃せないチェックポイントです。

現地調査を丁寧に行っている

屋根は直接見なければ、詳細な確認が難しい場所です。

だからこそ、業者が丁寧に現地調査を行っているかどうかは信頼感につながります。

点検した結果を写真で残し、依頼者の住宅にとって必要な修理をわかりやすく説明してくれる業者は、安心して依頼できます。

 

悪質業者には要注意

飛び込みの訪問営業がすべて悪いとは限りませんが、トラブルになるケースが見られます。

すぐに契約を迫ってくる業者も悪質な可能性が高く、依頼した当初よりも多く費用を請求されたり質の悪い工事を行われたりするリスクも少なくありません。

「自分ひとりでは即決できない」「家族に相談してから連絡する」と伝え、その場では契約しないのが望ましいです。

契約してしまった場合はクーリング・オフを検討しましょう。

 

屋根の部分修理は信頼できる業者へ早めに相談しよう

屋根の不具合はたとえ小さくても放置せずに修理することで、大切な家を守れます。

費用を抑えたいなら、定期点検と早期対応が重要です。

ただし、破損や劣化が進んでいる場合は、全面的な交換が適している場合もあります。

信頼できる業者に相談して、適切な方法で屋根を修理してもらいましょう。


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