ウレタン塗装の特徴とは?メリット・デメリットや他のおすすめ塗料も解説

ウレタン塗装の特徴とは?メリット・デメリットや他のおすすめ塗料も解説

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「ウレタン塗装は屋根や外壁に効果的なのかな?」
「他にも良い塗装は何かあるのだろうか」

このようにお悩みではありませんか。

塗装方法は屋根や外壁の耐久性や仕上がりに大きく影響するため、塗料の特徴を知ることは重要です。

この記事では、ウレタン塗装の特徴やメリット・デメリット、ウレタン塗料以外にもおすすめの塗料を解説します。

大切な住宅をきれいに守るために、ご一読いただけましたら幸いです。

 

ウレタン塗装とは?

ウレタン樹脂を主成分とするウレタン塗料で塗装することを「ウレタン塗装」と呼びます。

外壁に使用する場合の耐用年数は5〜10年が目安です。

耐用年数があまり長くはないため、屋根には基本的に使われません。

金額は1,600〜2,500円/平方メートルと、安価です。

アクリルウレタン樹脂塗料とポリウレタン樹脂塗料があり、さらに以下の種類に分けられます。

・水性ウレタン塗料と油性ウレタン塗料
・1液型と2液型

ウレタン塗料は水性や油性を、水・シンナーまたは硬化剤を混ぜて使います。

それぞれの特徴について、わかりやすく説明します。

水性ウレタン塗料と油性ウレタン塗料の特徴

ウレタン塗料は、水性と油性の2種類に分けられます。

水性ウレタン塗料は、水で薄めて使う塗料です。

化学物質を使っていないので、臭いが気になる室内でも使えます。

安価ですが耐久性は低く、塗膜の密着性が弱く硬化まで時間がかかります。

油性ウレタン塗料は、シンナーで薄めて使う塗料です。

耐久性や密着性は良いのですが臭いが強く、日常生活に悪影響を及ぼすリスクがあります。

基本的にはあまり問題になりませんが、どうしても気になる方は塗装中は外出する、ホテルに泊まるなど対策を求められる場合があります。

1液型と2液型の特徴

1液型は、硬化剤を混ぜずに水やシンナーで薄めて使います。

コンクリートやサイディングボード、モルタルなどを塗装するのに適した塗料です。

安価ですが乾燥に時間がかかり、使用できる用途も限定されています。

2液型は硬化剤を混ぜて使う塗料で、屋根や外壁に使うケースが多くみられます。

1液型よりも価格は高いですが、高耐久性で1液型を使用できる箇所以外にも塗装できます。

硬化が早いため保存が難しいのも、2液型の特徴です。

 

ウレタン塗装のメリット

ウレタン塗装のメリットとして、以下の点が挙げられます。

・コストを抑えられる
・一定の耐久性がある
・木材が変形しにくい
・塗装の仕上がりが良い

どのようなメリットがあるのかを、解説していきます。

コストを抑えられる

ウレタン塗料は広く普及しているため、塗装も比較的安価です。

メンテナンスが必要だけどコストを抑えたいケースにおいては、ウレタン塗装が適している場合があります。

一定の耐久性がある

ウレタン塗料は弾性・伸縮性・密着性が高いため、塗膜を厚く塗装できるのもメリットです。

ある程度の傷や汚れも防げます。

塗装面が劣化しても剥がれにくく、そこそこの耐久性が見込めます。

木材が変形しにくい

ウレタン塗料は塗膜が伸びて柔軟性があるため、木材の伸縮にある程度合わせることが可能です。

木材に塗装しても変形や塗膜のひび割れが少ないのはメリットとなります。

ただし塗装した面は樹脂でツルツルしているため、質感やぬくもりが感じられにくい点に留意しましょう。

塗装の仕上がりが良い

ウレタン塗装は、塗膜に光沢感が表れて美観をアップできるのも特徴です。

高級な家具の仕上げにもウレタン塗料が採用されているケースがあり、住宅にも新築のような仕上がりが期待できます。

 

ウレタン塗装のデメリット

ウレタン塗装のデメリットとして、以下の点も挙げられます。

・他の塗装より耐久性が低い
・湿度が高い環境での塗装に向いていない
・塗膜が膨らむリスクがある
・長期的なコストが高くなる場合がある

以上の点を把握してから塗装の種類を検討するのがおすすめです。

他の塗装より耐久性が低い

ウレタン塗料は一定の耐久性は見込めるものの、他の塗装より耐久性が低く、経年劣化が起こりやすいデメリットもあります。

塗料に含まれる樹脂は紫外線の影響を受けやすく、変色や劣化も起こりやすいです。

そのため屋根塗装にはウレタンは使われません。

ウレタン塗料は柔らかいため、他の塗料より防汚性も低いです。

特に屋外や直射日光が当たる場所では、おすすめできません。

湿度が高い環境での塗装に向いていない

ウレタン塗料に使用されている硬化剤は、水と反応しやすい性質を持っています。

そのため水や湿気との相性が悪く、湿度が高い時期に塗装すると性能が落ちるリスクもあります。

ウレタン塗装は業者の知識や経験が問われるため、実績豊富な業者に依頼するのが無難です。

塗膜が膨らむリスクがある

ウレタン塗料は密着性が高いものの、通気性が悪くなります。

外壁塗装の際に断熱材が入っている場合は間に熱がこもりやすいため、熱の影響で塗膜が膨らみ剥がれるリスクがあるのはデメリットです。

塗装の際に異物と一緒に空気が混入することや、通気性の悪さによって塗膜の内部に水分が溜まることによっても、塗膜が膨らんでしまいます。

長期的なコストが高くなる場合がある

ウレタン塗料は耐用年数が短いため、他の塗料を使用した場合と比べてメンテナンスの頻度を増やす必要があります。

一度あたりの費用は安く見えますが、長期的にはコストパフォーマンスが良いとはいえません。

現在の住宅に長く暮らすなら、ウレタン塗装は適していない可能性が高いです。

 

屋根・外壁にはウレタン以外で塗装がおすすめ

ウレタン塗料は以前、外壁塗装でよく選ばれていました。

しかし近年は高耐久で長持ちする塗料が増えているため、ウレタン塗料を使うことは少なくなっています。

特に屋根へのウレタン塗料は耐用年数が短すぎるため、基本的に使用できません。

屋根や外壁の塗装には、主に3種類の塗料が用いられています。

・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料

それぞれの塗料の特徴を、詳しく説明します。

シリコン塗料

シリコン塗料はシリコン樹脂が主成分で、外壁塗装で最も多く採用されている塗料です。

防汚性と耐候性に優れ、性能と金額のバランスの良さからコストパフォーマンスも高く人気です。

塗料の種類も豊富で、数多くの施工実績も持っています。

耐用年数の目安は外壁塗装の場合は7〜15年で、屋根塗装の場合は4〜9年です。

金額は1,800〜3,500円/平方メートルと、現在主流の塗料の中では安価です。

フッ素塗料

フッ素塗料は、主原料にフッ素樹脂を使用している塗料です。

塗膜が硬くなる性質があるため紫外線や雨風に強く、高い耐候性を持っています。

耐久性や防汚性、耐熱性、耐摩耗性に優れている点も特徴です。

耐用年数の目安は外壁塗装の場合は12〜20年で、屋根塗装の場合は6〜18年です。

金額は3,000〜5,000円/平方メートルとシリコン塗料より高価ですが、そのぶん優れた性能を持つ塗料です。

フッ素が含まれる量が少ないと十分な性能が得られない可能性がある点に留意しましょう。

無機塗料

セラミックやケイ素など炭素を含まない無機物や合成樹脂などの有機物を使用している塗料です。

炭素を含まないため、カビやコケの発生を抑えられます。

耐久性や耐候性も高く、紫外線や雨などによる劣化が起こりにくいのが特徴です。

耐用年数の目安は外壁塗装の場合は18〜20年で、屋根塗装の場合は12〜18年です。

金額は3,500〜5,000円/平方メートルと高価ですが、長期間で外観を維持できてメンテナンスの頻度も軽減できます。

 

ウレタン塗装が効果的な場面もある

建て替えや引っ越しなどで現在の家に住む期間が限定されている場合は、ウレタン塗装が有効なケースがみられます。

ウレタン塗料は細かいところに密着する性質があるため、付帯部などパーツが多い部分にも適しています。

室内にあるものを塗装する場合も有効です。

ただし塗料の種類がバラバラだと塗り替え時を調整したほうが良い点にも留意しましょう。

 

ウレタン塗料を理解して適切な塗装を選定しよう

ウレタン塗装は比較的安価でメリットもある塗料ですが、デメリットも少なくありません。

採用する場面によっては費用を抑えられるものの、専門的な知識がない人が見極めるのは難しいです。

屋根や外壁にはシリコン塗料・フッ素塗料・無機塗料がおすすめです。

しかし適切な塗料を選ぶのは、簡単なことではありません。

ご自宅にどのような塗料が最適なのかを判断するには、専門的な知識や経験が豊富な業者への相談をおすすめします。


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