屋根は住宅の中でも外的ダメージを直接受けるため、劣化しやすい部分です。
長く安心して暮らし続けるためにも適切なタイミングで塗装を行い、屋根をメンテナンスする必要があります。
屋根塗装のタイミングは「新築から10年」がひとつの目安です。
そのほか、屋根材の種類や劣化から塗装のタイミングを見極める必要があります。
本記事では屋根塗装を行うタイミングについて詳しく解説します。
あわせて、塗装料金の目安と費用を抑える方法も紹介しているため、参考にしてください。
屋根塗装を行うタイミング
屋根塗装を行う主なタイミングは下記のとおりです。
・新築から10年を目安に屋根塗装を行う
・屋根材の種類から見極める
・春または秋に屋根塗装を行う
いつ屋根塗装を行おうか悩んでいる方は参考にしてください。
新築から10年を目安に屋根塗装を行う
屋根塗装は築10年を目安に行うことが一般的です。
10年を過ぎると、色褪せやコケなどの劣化が目立ち始めるケースが多い傾向にあります。
2回目以降の塗装は、使用する塗料の耐用年数から塗装時期を決定してください。
屋根は雨風や紫外線を直接受ける部分で劣化が早く進行します。
劣化が大きい場合は10年よりも早く塗装を行う必要があります。
屋根材の種類から見極める
スレートや金属、瓦など屋根材によって塗装時期は異なります。
・スレート屋根:5〜10年
・ガルバリウム鋼板:5〜20年
・日本瓦:基本的に塗装不要
日本瓦は塗装の代わりに、漆喰補修が必要な場合があります。
自宅の屋根材を確認し、適切なタイミングで塗装することが重要です。
春または秋に屋根塗装を行う
屋根塗装は春または秋が適しています。
気温と湿度が安定し、塗料の乾燥や仕上がりがよくなるからです。
雨の少ない時期であり、工事が予定通りに進みやすい点もメリットです。
人気のシーズンであることから、すぐに予約が埋まる可能性があるため、早めに問い合わせを行う必要があります。
屋根塗装のタイミングを見極める劣化サイン
屋根塗装のタイミングを見極める劣化サインを紹介します。
・色褪せ、変色
・コケ、カビ、藻の発生
・ひび割れや瓦の反り
・塗膜の剥がれ、浮き
・サビの発生
・棟板金の浮きや漆喰の崩れ
屋根塗装を行うタイミングを逃さないようにするためにも、参考にしてください。
色褪せ・変色
屋根の色褪せや変色は、塗装の劣化が始まっているサインです。
屋根材は紫外線や雨風にさらされることで塗膜の保護機能が低下し、劣化しやすくなります。
色褪せや変色は、塗料に含まれる顔料が紫外線によって分解されることが主な原因です。
屋根の色が薄くなったり、艶がなくなってきたりした場合は、塗装の効果が低くなっているといえます。
色褪せや変色を見つけたら、塗装のタイミングです。
コケ・カビ・藻の発生
コケやカビ、藻の発生は防水性能が低下している状態といえます。
塗膜が劣化し防水性が落ちると、湿気や雨水でコケやカビが発生しやすくなります。
たとえば、屋根の北側や日陰部分に緑色や黒色の汚れが目立つ場合は、塗装を検討するタイミングです。
防水性の低下は雨漏りにつながるため、早めに業者へ相談してください。
ひび割れや瓦の反り
ひび割れや瓦の反りを見つけたら、早急な対応が必要です。
放置すると、雨水が浸入し雨漏りや下地の腐食につながります。
屋根の耐久性低下は住宅全体の寿命を縮めるおそれがあり危険です。
安心して暮らし続けるためにも、ひび割れや瓦の反りが現れたら、屋根塗装を行う必要があります。
塗膜の剥がれ・浮き
塗膜の剥がれや浮きは防水性が失われている証拠です。
塗膜と屋根材の間に浸入した水分が熱によって蒸発する際に、塗膜を押し上げることで発生する劣化です。
塗膜が剥がれると屋根材が直接雨風にさらされ、劣化が急速に進行します。
塗装の保護機能が失われると雨漏りにつながり、住宅全体に影響を及ぼす危険があります。
大規模な修繕が必要になる前に早急な対処が求められるため、塗膜の剥がれや浮きを見つけたら、屋根塗装を行うタイミングです。
サビの発生
金属屋根や棟板金にサビが発生した場合は早めの塗装が必要です。
屋根の鉄部分に水が付着し、空気中の酸素と反応するとサビが発生します。
サビが進行すると穴があき、雨水が浸入しやすくなります。
軽微なサビなら落として再塗装が可能です。
しかし、放置すると金属自体が腐食し、塗装だけでは補修できなくなる可能性があります。
サビによって雨漏りが発生すると屋根全体の寿命を縮めるおそれがあるため、早めに塗装を検討してください。
棟板金の浮きや漆喰の崩れ
棟板金の浮きや漆喰の崩れは雨漏りのリスクを高めます。
棟板金は屋根の頂点を守る重要な部材です。
固定している釘が膨張してゆるむと浮きが発生します。
瓦屋根の漆喰は経年劣化で硬化し、ひび割れや崩れが起こりやすい部分です。
強風や大雨で部材が外れやすくなる危険性があり、雨漏りのほか瓦の滑落につながることもあります。
屋根塗装を行うタイミングであるのはもちろん、周囲への影響を防ぐためにも早急な対応が必要です。
屋根塗装の費用目安
屋根塗装の費用相場は次のとおりです。
・屋根のみの塗装:60万円〜80万円
・外壁塗装+屋根塗装:110〜160万円
上記以外にシーリング費用や付帯塗装、消費税や諸経費が入ります。
紹介した費用はあくまで目安のため、塗装環境や使用する塗料によっても異なります。
屋根塗装の費用を抑える方法
屋根塗装の費用を抑える方法を紹介します。
・閑散期に依頼する
・自社施工の業者を選ぶ
・参考:外壁塗装も同時に行う
それぞれ詳しく解説します。
閑散期に依頼する
屋根塗装は気候のよい春や秋が繁忙期です。
雨季や冬などの閑散期に依頼すると、業者の割引やキャンペーンが利用できる場合があります。
繁忙期に比べて価格交渉しやすかったり、予約が取りやすかったりする点もメリットです。
できるだけ費用を抑えたい場合は時期をずらして依頼するのがおすすめです。
ただし、雨の多い梅雨時期や雪の多い冬場は作業できない日が発生し、工期が延びるデメリットがあります。
自社施工の業者を選ぶ
自社施工の業者に依頼すると中間マージンが発生せず、費用が安くなる場合が多くあります。
営業会社や下請けを挟まないため、手数料がかかりません。
さらに、見積もりから施工、アフターフォローまで一貫して同じ業者が行う安心感があります。
できるだけ費用を抑えたい方は「自社施工」「自社職人」と、明記している業者を選ぶのがおすすめです。
参考:外壁塗装も同時に行う
外壁塗装と屋根塗装を同時に行うと、足場代を節約できます。
別々に塗装すると足場代が二重にかかるため、同時に施工したほうがトータルの工事費用を大幅に抑えられる可能性があります。
外壁も塗装のタイミングであれば、あわせて依頼するのがおすすめです。
外壁塗装をしたほうがよいかわからなければ、屋根の点検を依頼する際に「外壁の状態も診断してほしい」と業者に伝えてください。
屋根塗装を行う流れ
屋根塗装を行う一般的な流れは次のとおりです。
・現地調査
・契約
・着工
・引渡し
まず屋根の状況を実際に確認するために、業者が現地調査を行います。
その後、業者が見積もりを作成して問題なければ契約します。
金額や工事内容、工期など不明点があれば、相談しておくのがおすすめです。
契約した内容で工事を開始し、お客様と一緒に最終チェックを行ったら工事完了です。
保証やアフターサービス体制が充実している業者なら、施工完了後に万が一のトラブルが起きたとしても安心できます。
タイミングを見極めて屋根塗装を行おう
屋根塗装は、新築から10年を目安に行います。
屋根は外壁よりも紫外線や風雨の影響を強く受ける部分です。
塗装の保護機能が低下すると雨漏りや屋根内部の腐食につながります。
屋根塗装の時期に悩んだら、気候が安定する春や秋に屋根塗装を行うのがおすすめです。
色褪せやひび割れ、塗膜の剥がれなど屋根の劣化サインを見逃さず、適切なタイミングで屋根塗装を実施してください。