外壁は雨風や紫外線を受ける部分で、年数が経つにつれて劣化していきます。
しかし、いつ外壁塗装を行うべきかタイミングに悩む方も少なくありません。
一般的にいわれる外壁塗装の目安は10〜15年です。
住んでいる環境や劣化の進行具合、使用している塗料などによっても異なるため、適切なタイミングで外壁塗装を行うことが大切です。
本記事では外壁塗装を行うタイミングと、塗り替えの目安にしたい劣化を解説します。
費用目安も紹介しているため、参考にしてください。
外壁塗装を行うタイミング
外壁塗装に適したタイミングは次のとおりです。
・前回の外壁塗装から10〜15年が経過した
・塗装に適した時期は春や秋
それぞれ詳しく解説します。
目安は前回の外壁塗装から10〜15年が経過したタイミング
外壁塗装のタイミングは10〜15年がひとつの基準です。
ただし、使用している塗料や住んでいる環境によって、塗装を行う時期は異なります。
10〜15年を目安にして、一度点検してもらうのがおすすめです。
塗装に適した時期は春や秋
外壁塗装に適した季節は春と秋です。
春や秋は気温も湿度も安定する時期です。
塗料の乾燥がスムーズなため、施工不良のリスクが低くなります。
雨も少ないことから、工期が延びたり急に作業できなくなったりすることもほとんどありません。
ただし、多くの方が依頼する人気シーズンです。
予約が多数あると希望の時期に外壁塗装できなくなる可能性があるため、早めに業者へ相談する必要があります。
外壁塗装のタイミングを知らせる劣化
外壁塗装のタイミングを知らせる主な劣化は下記のとおりです。
・色褪せ
・コケやカビなど汚れの発生
・チョーキング
・塗膜の膨れや剥がれ
・クラック
・シーリング材の塗膜の剥がれや割れ
放置すると劣化が進む可能性があるため、詳しく解説します。
色褪せ
外壁の色褪せは塗装が劣化し始めているサインです。
紫外線や風雨の影響で塗膜が劣化すると、色が薄くなります。
とくに日当たりのよい南面や西面は劣化が早い傾向です。
新築時よりも明らかに色が褪せていたり、艶がなくなったりしている場合は、塗膜の保護機能が低下している証拠です。
劣化が進行する前に塗装を行う必要があります。
コケやカビなど汚れの発生
外壁の防水機能が低下すると壁面に水分が留まりやすくなり、コケやカビが発生します。
塗膜が水を弾く力を失うため、日当たりの悪い北面や湿気の溜まりやすい場所が常に湿った状態になるからです。
コケやカビが根を張るように繁殖すると緑色や黒ずみが現れます。
外壁の汚れは美観を損なうだけでなく、外壁材そのものを傷める可能性があります。
劣化が進行する前に、塗装による防水機能の回復が必要です。
チョーキング
外壁を触ったときに白い粉が手につく現象をチョーキングといいます。
塗膜の顔料が分解され、粉状になって表面に現れている状態です。
塗膜の機能が劣化しているサインのため、放置するとカビやコケの発生につながります。
劣化が進行する前に外壁塗装を行う必要があります。
塗膜の膨れや剥がれ
塗膜が膨れたり剥がれたりしている場合、雨水が浸入しやすくなってしまいます。
外壁内部に水が入り込むと雨漏りを引き起こすほか、木材部分が湿気を帯びて腐食する場合もあります。
外壁だけにとどまらず、住宅全体の寿命が縮むおそれがあり危険です。
外壁の表面に膨らみや剥がれが見られたら、早急な対応が必要です。
クラック
クラックとは外壁にひび割れが起こることです。
塗膜や外壁材自体が劣化し、ひびが入ると雨水が浸入しやすくなります。
とくに、大きな割れがあると雨漏りするリスクが高まり、住宅全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
小さいひび割れであっても軽視せず、クラックを見つけたら一度業者へ相談してください。
シーリング材の塗膜の剥がれや割れ
シーリング材の剥がれや割れも塗装を行うタイミングのひとつです。
シーリング材が劣化すると防水機能が低下し、雨水の浸入につながります。
とくに、シーリングは雨風や紫外線などによる経年劣化が避けられません。
目地やサッシ周りのシーリングに亀裂・剥がれが見られたら、塗装を検討する必要があります。
外壁塗装を行うタイミングを逃すと起こりうるリスク
外壁塗装を行うタイミングを逃すと、次のようなリスクが起こる可能性があります。
・美観が損なわれる
・外壁の劣化が進行する
・雨漏りにつながる
それぞれ詳しく解説します。
美観が損なわれる
外壁塗装を怠ると美観の低下につながります。
色褪せや汚れ、塗膜の剥がれが目立つ住宅は古びて見え、悪い印象を与えかねません。
さらに、外壁の機能が損なわれると資産価値が下がる可能性もあります。
住宅の印象をよくするのはもちろん、価値を守るためにも定期的な外壁塗装による美観の維持が重要です。
外壁の劣化が進行する
適切な時期に外壁塗装を実施しないと劣化が進行します。
塗膜の劣化を放っておけば、外壁材が紫外線や風雨のダメージを直接受けることになり、住宅の寿命が縮んでしまいます。
劣化が外壁材の内部にまで及ぶと、単なる塗装工事では済みません。
外壁材の交換や下地の補修といった大掛かりな工事が必要になり、補修費用が高額になる場合もあります。
住宅を守り大きな出費を抑えるためにも、適切なタイミングで外壁塗装することが重要です。
雨漏りにつながる
外壁塗装の遅れは雨漏りする原因のひとつです。
劣化した塗膜やシーリングからは雨水が浸入しやすくなります。
雨漏りが発生すると、カビの発生やシロアリ被害につながり、住宅全体の寿命に影響を及ぼす可能性もあります。
雨漏り防止のためにも外壁塗装は欠かせません。
【塗料別】外壁塗装の耐用年数
塗料別に外壁塗装の耐用年数を紹介します。
・シリコン塗料|7〜15年
・フッ素塗料|12〜20年
・無機塗料|18〜20年
塗料によって耐用年数が異なるため、詳しく解説します。
<h3>シリコン塗料|7〜15年</h3>
シリコン塗料の耐用年数は7〜15年です。
フッ素や無機塗料と比較すると耐用年数は少し短めですが、耐候性と価格のバランスがよく、人気があります。
コストパフォーマンスを重視するならシリコン塗料がおすすめです。
フッ素塗料|12〜20年
フッ素塗料の耐用年数は12〜20年とシリコン塗料より長めです。
耐候性・耐久性に優れ、外壁の美観を長期間維持できます。
価格は高めですが、塗り替え回数を減らしたい方に向いています。
無機塗料|18〜20年
無機塗料は18〜20年と、フッ素塗料よりもさらに耐用年数が長い塗料です。
無機成分が主成分のため紫外線や雨水に強く、劣化しにくい特徴があります。
紹介した中でもっとも高額ですが、メンテナンス頻度を減らせるため、長期的に見てコストパフォーマンスの高い塗料といえます。
耐久性重視なら無機塗料を選ぶのがおすすめです。
外壁塗装の費用目安
外壁塗装の費用目安は下記のとおりです。
【約30坪ほどの住宅】
・外壁のみの塗装:70〜110万円
・外壁塗装+屋根塗装:110〜160万円
外壁と屋根を同時に塗装すると足場代が1回で済むため、結果的に工事費用を抑えられる可能性があります。
屋根塗装も検討している場合は、一度業者へ相談してみてください。
上記以外にシーリング費用や付帯塗装、消費税や諸経費が必要です。
費用相場はあくまで目安で、塗装環境や使用する塗料によっても異なります。
適切なタイミングで外壁塗装を行おう
外壁塗装は劣化や塗料の耐用年数からタイミングを見て、10年を目安に行うことが大切です。
適切なタイミングで塗装を行うことで、住宅の美観や耐久性を維持できます。
さらに、劣化が進行する前に塗装できれば修繕費用も抑えられます。
長く安心して住み続けるためにも定期的な点検と早めの対応が欠かせません。
外壁に気になる劣化を見つけたときには、一度業者へ相談するのがおすすめです。